農学部出口善隆教授らの投稿論文が英語雑誌(Animal Science Journal)2023年の閲覧数トップ10%論文に

掲載日2025.04.28
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概要

岩手大学農学部 出口 善隆 教授、岡田 啓司 名誉教授、高橋 正弘 准教授らの研究グループによる、英語雑誌(Animal Science Journal, Wiley)への掲載論文が、2023年の閲覧トップ10%の論文に認定されました。
本研究は、分娩牛を分娩時間帯により午前分娩群と夕方分娩群に分け、分娩7日前から1日前までの行動を解析し、分娩時間帯予知の可能性を検討したものであり、社会的にも学術的にも意義の高いものとなっています。閲覧トップ10%の論文に認定されたことからその関心の高さが改めてうかがえます。

背景

近年、乳牛の多頭飼育が増加しており、飼養者による個体観察が困難になってきています。分娩徴候の見逃しによる分娩事故が問題となっています。そのため分娩時間帯を予測することは損失を与える事故を防ぎ、飼養者の負担を軽減するために重要です。

研究内容

本研究では、ホルスタイン種経産乳牛11頭を胎子娩出時間帯によって午前分娩群と夕方分娩群の2群に分けました。分娩前7日間の行動について日毎の行動出現時間、行動から行動への変化回数を日中と夜間に分け解析しました。また隣接行列を用いて行動連鎖解析を行い、構造化モデリング手法により階層構造図を作成しました。その結果、採食行動および探査行動が分娩時間帯に関与しており、分娩時間帯予測に有用である可能性が示唆されました。階層構造図では、夕方分娩群には一定の行動連鎖パターンが存在するが、午前分娩群には存在せず、このような不定な行動連鎖パターンを検出することで分娩時間帯を予測できる可能性が示唆されました。

掲載論文

  1. 題目:Precalving behavior in dairy cattle with different calving times
    著者:品田若菜、嶽間澤直弥、越川志津、伊藤孝浩、藤原哲雄、高橋正弘、千田 廉、岡田啓司、出口善隆
    誌名:Animal Science Journal, 94, Wiley
    公表日:2023年4月20日
    DOI: https://doi.org/10.1111/asj.13833
本件に関する問い合わせ先
農学部 動物科学?水産科学科 動物科学コース  教授 出口 善隆
019-621-6194
deguchi@iwate-u.ac.jp